ETソフトウェアデザインロボコン見学報告(第2日目:2005/7/3)

ロボット AIBOショップ_234_60
アップウィンドテクノロジー・インコーポレイテッド
中村憲一
(2005/7/4, 2005/7/5更新, 2005/7/18更新)

2005年7月2日(土)〜3日(日)に東京都江東区潮見にある(株)内田洋行潮見ビルで開催されたETソフトウェアデザインロボコンの第2日目を見学してきたので報告する。2日目は、1日目の走行競技とは異なり、モデリングの優秀さを競うのが目的である。

写真

ビデオ映像

Two Weeks@(株)オージス総研チームの開発風景および1日目のデモ走行(WindowsMedia形式, 18.1MB、4分31秒)
2日目の会場の様子(WindowsMedia形式, 13.5MB、3分25秒)

関連情報

会場

AIBOショップ_468_60 Apple Store
パネル展示  会場では独創的なアイデアでモデリングが行われた各チームのパネル展示が行われていた。
 レゴで作ったETロボコンのロゴ。 レゴの写真

走行競技の結果

順位タイムチーム名所属
1 35.42秒加賀百万石個人石川県能美市
2 43.44秒FF宮ノ台東芝情報システム(株)第一エンベデッドシステムソリューション事業部神奈川県川崎市
3 50.27秒あどぶるぅ(株)日産ディーゼル技術研究所埼玉県上尾市

モデル部門の結果

順位チーム名所属
エクセレント・モデル賞あジャイ子2(株)リコー東京都大田区
ゴールド・モデル賞アルゴノーツ(株)アルゴ21東京都中央区
シルバー・モデル賞新潮流個人東京都墨田区
審査員特別賞Seventeen Hearts東海大学・開発工学部/武蔵工業大学・環境情報学部静岡県沼津市
審査員特別賞チームKOO日本大学工学部情報工学科福島県郡山市

表彰式(モデル部門)

表彰式の写真1 まずは、入賞したチームの表彰が行われた。
写真は、(株)オージス総研の渡辺博之氏より表彰を受けるチームKOO。
 各入賞チームには、プレゼンターを努める東海大学の大原教授より盾と副賞(CQ RISC評価キット、レゴ開発キット、書籍、雑誌年間購読権など)が贈られた。 表彰式の写真2

優秀モデル発表会

あジャイ子2  引き続き、各入賞チームのプレゼンテーションおよび質疑応答が行われた。
・しきい値をどこに設定したのか?
・ラインの判定方法は?
・クラスやタスクの分け方は?
・どのようにログをとっているのか?
・パラメータの決定方法は?
など、他の参加者からも積極的な質問が出ていた。
 写真は、「あジャイ子2」チーム。コンテンツの見せ方や内容のバランスが非常に良いとのことでエクセレント・モデルに選ばれた。しかしながら、レースでは完走できず残念な結果となった。
 「アルゴノーツ」チーム。速度制御を重視し、危険な場所では減速し、その他の場所では常に高速走行を試みる走行モデルおよびプレゼンテーションが評価された。開発にあたっては、PDCAサイクルを実行し、何度も何度もログを取得し、数値化を行ったとのこと。 アルゴノーツ
新潮流  「新潮流」チーム。専用のツールを使用し、MDAを使った高度なモデリングが評価された。F1レーサーのメタファーを設計思想に反映した点も評価された。
 「チームKOO」チーム。ドルフィンジャンプと名付けられたコースをショートカットする技や、微分方式による漆黒線の確認、関数グラフに基づいたステアリング制御など、優れたアイデアがあふれた点が評価された。 チームKOO
Seventeen Hearts  「Seventeen Hearts」チーム。開発プロセスを明確化し各キャストの役割およびスケジュールを明文化するという、実際の製品開発に用いられる手法を採用していた。さらに、分析モデルと設計モデルの関係の明確化や、ハードウェア特性の明確化(センサの取り付け位置による乱反射の影響をグラフ化するなど)なども実践しており、とても学生チームとは思えない印象を受けた。しかしながら、キャストが多かったにもかかわらず、モデリングを重視したため実装に一人しか割り当てることができず、走行競技では残念な結果に終わった。

審査員によるパネルディスカッション

パネルディスカッション1  昼食休憩を挟んで午後からは審査員によるパネルディスカッションが行われた。審査員も多忙な方ばかりのため、三浦海岸の保養所で合宿をしながら朝の4時までかけて審査を行ったそうだ。さらに、大会を重ねる毎に、各チームから優れたアイデアが出るようになり審査も難しくなっているとのことだ。
 しかしながら、初めてUMLを経験するものもおり、きちんとしたモデリングが行われていないチームも見受けられるとのことだ。
 いろいろなモデルについて議論された後、最後に本題である「果たしてモデルが良ければ、走りも速いのか?」について審査員および来場者の間でディスカッションが行われた。
 結果として、本大会において、優秀なモデリングを行ったロボットが一台も完走することが出来なかったが、その原因はモデリングに懲りすぎることにより実装が困難になり、設計通りの制御が実現できないなどの問題が発生したようだ。
 しかしながら、走行競技で優れた成績を出したロボットは、モデリングには優れているとは言い難いものばかりだった。
 このため、審査員の間では、モデルと性能の関連性は見られなかったとの結論に達した。
 次回は、2005年11月16日〜18日にパシフィコ横浜で開催されるET2005においてチャンピオンシップ大会が開催される。各チームのさらなる進化に期待したい。
パネルディスカッション2

MDDロボットチャレンジの案内展示

iPod white with Color Display 富士通WEB MART(SOHO・法人)
案内展示の様子  会場内では、情報処理学会ソフトウェア工学研究会主催で2005年10月17日〜19日に日本科学未来館で開催される組込みソフトウェアシンポジウム2005の特別企画であるMDDロボットチャレンジの案内展示が行われていた。
 MDDロボットチャレンジとは、飛行船を3次元制御し、指定されたポイントを通過しながら目的地へ早く誘導するコンテストのことで、言い替えれば、飛行船ロボコンである。しかしながら、3次元での画像処理や超音波による位置や速度の測定、赤外線およびRF通信による指令コマンドの送信、飛行船という応答性の悪い物体の制御など、より高度な技術が要求されるハイレベルなロボコンである。

 右の写真は、飛行船の気球部分。
飛行船の気球部分
パネル展示  飛行船のゴンドラ部分。ルネサステクノロジ製のM16Cが搭載され、超音波モジュール、赤外線通信モジュール、無線通信モジュール、モータ駆動モジュールを制御する。
 参加者は、規定のモジュールを使用するか、自作するかを選択することが出来る。もちろん、プロセッサを変更することも認められている。
 無線通信モジュール(試作品)。東海大学の清水教授による手作りである。 無線通信モジュール
赤外線通信モジュール  赤外線通信モジュール(試作品)。武蔵工業大学の小倉講師による手作りである。

 現在、組込みソフトウェアシンポジウム2005では、幅広いテーマで研究/経験論文や事例報告/ツール紹介など広く募集しているとのことだ。なお、締切は2005年7月15日とのことなので、早めに投稿していただきたい。


お問い合わせは info@embedded.jp まで